バイト先の恋

こんなことがありました。
バイト先でのことです。
私はとある和食レストランの厨房でバイトしていました。その店は、男子は厨房、女子はホールスタッフとして働くのが基本でした。そのホールスタッフに年下の女性がいました。
最初は単に大勢いる女性の1人としか見てませんでしたが、日々働くにつれてとあることに気がつきました。

「あの子、なんか俺ばっか話しかけてくるな」

他にも頼める男子はいるし、なんなら私じゃなくてもいい用事でも頼んできます。
そうなるとこっちも気になります。こちらもその女性ばかりに話しかけたりするようになります。

かなり仲が良かったと思います。まかないも一緒に食べたりして。たわいもない話で大笑いしたり、客の文句を聞いたりして盛り上がっていました。

「好きなのかな?俺のこと。」

いつしかこんな気持ちになってました。

いつも目が合います。
いつも話しかけられます。
いつも一緒にご飯を食べます。

ある日、その子に質問されました。

「髪、長いのと短いのどっちが好き?」

彼女はロングでした。でも当時の私は内田有紀さんが大好きだったので、

「ショートカットが好き」

と言いました。
すると彼女は

「えー、切ろっかな・・。」

それ以上はもう言わなくていい。


恋です。フォーリンラブ。


相手の気持ちはもう痛いほどわかりました。
だから男の私から告白しなきゃ。

「どこで告白しよ?」
成功するってわかっていますから、どうせなら思いっきりロマンチックに決めたい。
場所は一択でした。

その場所とは、とあるキャンプ場へ向かう途中の休憩場所的な感じのところです。でもかなり山の中なので、自販機と街灯がポツンと一本あるだけです。滅多に車も来ません。

しかも自販機も街灯も壊れていました。
つまり夜になると真っ暗で星空が物凄く綺麗に見えます。満点の星空。

決まりです。

「見せたい場所があるから車で行こう。」

そう伝えると、とても喜んでくれました。そりゃ、ね。

当日。


夜になって、彼女を車に乗せ目的の場所へ向かいました。天気は晴れ。綺麗な夜空です。
答えはわかっていてもやっぱり緊張していました。

ロマンチックに。

目的の場所に到着。狙い通り、真っ暗で満点の星空。

彼女もめっちゃ感動してます。

「こんなすごい星空初めて!」

行きます。

「この星の数ほどの女性の中から、○○ちゃんを見つけた。俺と付き合ってほしい。」

「えー、無理。」

・・・・・。

は?


帰りの車の雰囲気、想像できますか?

[オマケ]
勝手に未来へ伝える名曲

不言論 / BAK

どうやったらこのような曲をつくれるのでしょう?
闇夜にそっと差し込む月明かりのような作品です。

日々の生活の音やスマホの光、誰かの視線が気になって気づけなかった青くて冷たい綺麗な光。

「いつも照らしてくれていたのに。」

この曲を聴いたとき、そんな言葉が浮かんできました。

曲が持つ冷たい世界観を、聴く人が一所懸命温めようとする作品です。

初めて聴いたのは1年程前だったのに、受け入れたのはここ最近です。
その頃は心に隙間がなかったのかもしれません。

喋り過ぎですね。

「言葉はいらないから」